乃木坂46ドキュメンタリー映画で垣間見えた西野七瀬さんのひとかけら

映画「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」を見ました。

 

こちらのレビューがすごくわかりやすいので是非。

realsound.jp

 

本当は平和な方向から、乃木坂すきだ~!って叫ぼうと思ってたんだけど、平和に書けば書くほど、違うことばかり脳内にチラついて書けなくなってしまった。から、諦めて一番印象に残ったことを残そうと思う。

(結局わりと平和になった気がする。核になる部分のネタバレは避けたつもりなのとあとやっぱり平和にしたかったのでいくらか歯切れが悪いかもしれません。)

 

「悲しみの忘れ方」では、主要メンバーとその母親の言葉を中心にして乃木坂の過去から今が描かれている。このあんまりいい気持ちになれないタイトルは、過去に抱えた悲しみや苦しみを乃木坂46として活動していくなかで乗り越えたり抱えたまま前に進んだりする様子を描いてるってことのようだ。ううんやっぱり観終わった今もあんまり好きになれないタイトルだ…。

 

一番印象に残ったことというのは、主要メンバーの一人である西野七瀬さんと、そのお母さんの言葉だ。お母さんの言葉で、西野さんが幼い頃から大人しい子供だったこと、それを気にかけたお母さんの薦めで部活の花形であるバスケ部に入ったが人間関係がうまくいかずやめてしまったこと、乃木坂46のオーディションもお母さんに薦められるまま受けたことが語られる。

 

西野七瀬さんは、とびきりの美人というわけではないけれどどこか人の目を惹きつける容姿と、一人静かにポロポロと涙をこぼす儚げな雰囲気を併せ持つ人だ。そこに控えめながらも芯がありひそかに闘志を燃やす性格が加わるともう、アイドルというより少女漫画のヒロイン値がカンストしてる。

 

オーディション当時の西野さんは今よりもちょっとギャルっぽい服装とメイクをしていた。ノンノ*1というよりもセブンティーンな感じ。初ステージでもまだ少し濃い目のアイメイクは残っていたから、徐々に乃木坂のイメージに合わせていったのだと思う。

 

映画序盤で、地方出身のメンバーは寮で共同生活をしていることが明かされる。毎週末大阪から東京まで通っていた西野さんは平日のレッスンにも参加するためにお母さんを説得して寮生活を始め、しばらくして寮を出て一人暮らしを始める。人感センサーを備えた空気清浄機を「かわいいんですよ。」と話す西野さんは、友達もいない東京で寂しくないのかと言われても「大阪に帰っても居場所がない。仕事ができればいい。私にはここしかないから。」とステージに立ち続けることを選ぶ。こんなに可愛ければ誰もがほっとくはずがないし絶対人生楽しいだろうと思うような人が、きれいに整えられた部屋で、一人でいる。

 

終盤で流れる生駒里奈さんのお母さんと西野さんのお母さんの言葉が対照的だ。西野さんのお母さんは「思うように娘をサポートできないことが一番つらい。」と語り、生駒さんのお母さんは「自分の娘が芸能界で比べられるのはつらいが、りなが充実しているならそれでいい。私は支え続ける。」と語る。この対照性が苦しい。

 

3rdシングルで初めてフロントメンバーに選ばれた西野さんはしかし、次の4thシングルではそれまで休業していた秋元真夏さんにその座を明け渡すようにフロントから外れる。そこで自分が負けず嫌いなことを自覚する。「自分の感情をダンスに込めるしかなくなった」*2と語る彼女のパフォーマンスは目に見えて向上し、6thでフロント復帰、8thでセンターに抜擢され、写真集発売、大手ファッション誌との専属モデル契約など、どんどん階段を登っていく。

西野さんがステージで戦う姿がわたしは一番好きで、というか単にアイドルが真剣にステージに立つ姿が大好きすぎるんだけど、彼女の孤独と輝きと、時折見せてくれる心からの笑顔のバランスにどうしても惹きつけられる。恐ろしい人だ。計算だとか素だとかそういう問題じゃない。本能でこのひとはやばいと感じる。控えめで可憐だという言葉にとどまらない彼女の陰の部分がどのように養われたのかこのドキュメンタリーで少し見えた気がする。アイドルというステージはその陰を爆発させることができる一番広くて深いところかもしれない。

最近、西野さんは前田敦子になるかもしれないと思っている。孤独にストイックに戦い続けて、多くの人の心を掴んでさらに孤独になって、そうして戦い抜いたあっちゃんのように、いつかとびきりの笑顔でいられる場所が見つかるといい。

 

 

 

西野さん以外のメインメンバー4人に関する雑感。

 

ステージの裏にある内面が描かれるドキュメンタリー映画を見て、アイドルのことを知ったような気になってしまうことがとても怖い。だから白石麻衣さんが結局あまり自分のことを語らなかったことにどこかホッとしてしまった。

 

「芸事がしたかった。実はもう夢は叶えてるんですよね。」と語る生駒さんの、ステージを背負って立つ姿はかっこいいし、でももっともっと愛されて甘やかされて幸せそうに笑ってほしい。こんなにも愛に包まれてるのなんて少年漫画のヒーローと生駒さんぐらいなんだから。

 

美しい歌声とピアノの音を響かせる生田絵梨花さんを見ながらああそういえばわたしは生ちゃんの才能に惚れたんだったなあと思い出した。大学入学時のスーツ姿が麗しすぎて佳子さまのご学友ですとか言われてもやっぱり~~~!ってなりそう。

 

橋本奈々未さんとても客観的に自分たちを見ていることが印象的だった。初めての握手会で、使用会場の平均的な埋まり具合をネットで調べていたこととか、その予想以上に埋まったことに対して奢らず「メディアの力ってすごいなって」と冷静に分析しながら喜ぶ姿がおもしろかった。

 

メインの5人以外のメンバーにはあまり焦点が当たらないのだけど、愛に溢れるキャプテン桜井玲香さんの言葉や、乃木坂の入口になりたいと語る伊藤万理華さんや、齋藤飛鳥さんのおでこのうぶ毛もすごく良かったです。あと、ポジションが下がっても決して涙を見せない生田さんと、その背中をさりげなくずっと支えてる畠中清羅さんが大好き

 

最後の最後にちょっと!!!堀ちゃんのドキュメンタリーくださいよ!!!!ってなったので続編楽しみにしています。あの終わり方ずるい。ほんとずるい!

 

 

 

乃木坂の魅力と西野七瀬さんのヒロイン力がこれでもかと詰め込まれている『制服の羽根』MVを置いていきます。


乃木坂46 『羽根の記憶』Short Ver.

 

 

*1:2015年6月号より専属モデルとして契約

*2:http://realsound.jp/2015/07/post-3822.html