雪組トップコンビ退団。好きな人と好きな人の好きな人の話

宝塚で一番好きな人であらせられるところの雪組トップ娘役・咲妃みゆさんが退団する。知ってた。まあいつかは退団するし。トップになってからの年数的にもぼちぼちだし、何より現トップコンビが成熟していて、美しかったから。美しいものには終わりが来る。すぐに。

咲妃みゆさんは娘役の天才で、その才能を余すことなく見せつけてくれた。大感謝だ。
芝居が上手い、歌声に迫力がある、可憐な歌もドスの効いた演技もこなす声を持ってる、普段の喋り方がふあふあ、ステージを降りたら声が小さい、喋るのも遅い、生まれたての小型犬ぽい(可愛い)、愛することの天才、お顔が可愛い。全部好きなのですが、愛することにかけては本当にすんごかった。

雪組トップコンビのおふたりは舞台人としての相性が最高なだけでなく、ラブラブなコンビとしても名声を博しています。なんかこう、役外で2人が並んで喋るとヒューヒュー言われてる感じ。ファンの全力野次馬応援スイッチを強制オンにしてくる。
にわかファンなので細かいエピソードを知らないだけかもなのですが、現雪組トップスター早霧せいなさんの相手役として当時月組所属だった咲妃みゆさんが雪組トップ娘役に就任したのは割と唐突でした。もちろん将来を期待されている娘役として良いポジションにいたでしょうし、他の組でトップになるのはよくあることなんだろうなと思います。
けどまあ、普通に考えてさして相手役に思い入れがあるわけではないじゃないですか。
でも咲妃みゆさんは最初からちぎさん(早霧せいなさんの愛称)ラブ!!!!!モード全開でした。咲妃さんに一目惚れしたばかりの私はどういう心境なんだこの人…??と思ってた。でも、最近のインタビューで相手役に心を200%預けられる娘役が理想だと語っていて、はじめから実践していたのだなあと思った。それがどんどん心底からの気持ちになって、大きくなっていったのかなと妄想するとぐう萌える。
ずーーっと好きだと言い続けてどこまでもついていって、もっとお話したいとアピールできて、当たって砕けてもまた当たってくる、絶対死なない、そして舞台人としてのスタンスや能力も相性がいい。可愛いし可愛いし強いし、中学生男子の気持ちもすぐ揺らいでしまう。

早霧さんがこれまたい~い男だったんですよね。トップスターって定期的な舞台以外もめちゃくちゃ忙しいらしくて、同じ組の人たちと一緒にいる時間もあまり取れないらしいのですが、短い時間で自分から話しかけに行くようにしていたり、宝塚歌劇運営の人から本当にまじめで努力家だと評されていたり、組をまとめるトップスターとして理想的だなあと思います。
個人的に、2番手時代は正直そこまで早霧さんの魅力がわからなかったのですが(ごめんなさいすみません刺さないでください)、すぐわかった。ステージのセンターが超超似合う。気質がど真ん中ヒーローなんですね。あとお顔にクセがあまりないのも主人公が似合って最高。るろ剣の破壊力はすごかったですね…。
咲妃さんに対しては中学生男子みたいになる早霧さんも、お芝居に関しては咲妃さんの方を向いて、咲妃さんが自分の中で答えを出して追いついてくるのを待つスタンスだったようで、は~~~そりゃ惚れるわって感じですね。少女漫画かよ、版元レーベル教えてください。
早霧せいなさんを慕う咲妃みゆさんを通して早霧さんのことを知って、それがめちゃかっこいいもんだから単体で好きだったのにコンビとして好きになってしまった。退団の涙が倍増。

雪組の人たちがお二人について語るとき、「早霧さんに振り回されてる咲妃さん」の姿と「咲妃さんに振り回されてる早霧さん」の姿が同じ比率で登場するんですよ。そして先日の宝塚大劇場千秋楽カーテンコールでの挨拶にて

咲「私の愛する人のイニシャルはSで、…早霧せいなさんです!」(早霧さんのけぞり、固まる)
早「そういう、挨拶に、なるとは、ちょっと、あの、うん、、」
双方照れて吹き出す
早「こうして…こうして?!笑、咲妃と3年やってまいりまして、手のひらで転がされて3年」

 ハアァッ…ありがとう神様。確実に劇場&全国の映画館がにやついた

あと早霧さんが、咲妃みゆさんが大きな愛で包んでくれてるという趣旨の発言をされたことが他の雪組メンバーからリークされてるのもやばくないですか。

「ゆうみ(咲妃さんの愛称)も、これはちぎさんが仰っていたのですが、聖母マリア様みたいな感じで、ちぎさんを包んでいたり。」

(ザ・タカラヅカⅦ 雪組特集 鳳翔大さんインタビューより)

 すごい…すごい爆撃を食らっている。

最後に早霧せいなさんのインタビューも引用しておきます。

「ゆうみちゃんは本当に優れた役者さんだから、私も手を抜けないんです。私の叱咤激励にも負けない強さを持っていて、じつは結構頼もしい。一緒に踊っていて、私がグラッとすると彼女がグッと握って支えてくれたりもするんですよ。普通は逆ですよね(笑)。それほど私のことをよく見て、思ってくれている。天性の娘役の才を持っている人です」

(an・an 2050号 早霧せいなさんインタビューより)

 こんなに幸せな思いをさせていただいてオタク冥利につきる。

もうすぐちぎみゆ政権は終わってしまうという現実に直面して、終わりとかいう概念を生み出した神を恨むばかりなのですが、本拠地宝塚での最後の挨拶が悶絶ものだったので本当の最後の東京千秋楽での挨拶にもちょっとだけ期待しています。期待しすぎてもよくないのでちょっとだけね。

ていうか咲妃さん毎日『私の愛する人のイニシャルはS』って歌ってらっしゃるけど俺たちが愛する人のイニシャルもSだからな?!?!!?!って咲妃みゆさんのオタクとして黙って叫んでる。
早霧さん挨拶のどっかであなたもSですけどねって言ってくれないかな…深読みした上で安らかに墓を立てます。

終わってほしくないですね。ジタバタしたい。就活しながら、回数は僅かながら最後の舞台をしかと目に焼き付けたので悔いはあんまりない。私はこの目でちぎみゆを見た